偉大な牛

田上嘉一超公式ブログ

慰安婦像設置に対する日本の措置について

慰安婦像設置に対して日本が取った措置

今週とても大きく報道されたこの件ですが。

headlines.yahoo.co.jp

個人的な見解を先にいってしまえば、昨年に日韓で合意された、「最終的で不可逆的な」内容を反故にされたわけですから、こちらが遺憾に思っていることを示す意味でも、ある程度の対抗措置に出ることは相当の範囲内だと考えています。

  1. 長嶺大使、森本康敬釜山総領事の一時帰国
  2. 釜山総領事館職員の釜山市関連行事への参加見合わせ
  3. 日韓通貨スワップ(交換)協議の中断
  4. 日韓ハイレベル経済協議の延期

韓国国内の政治状況

もっとも、昨年の日韓合意については当初から韓国内で強い批判が出ていました。

gendai.ismedia.jp

すでに合意がなされて半年たたないうちにはこういった調子だったので、今回のような反応についてもある程度予想ができたことではあったのです。

そこへ来て、朴大統領のスキャンダルからの職務停止といったような危機的状況であれば、野党や反対勢力が勢いづくのはなおさらのことです。そういった意味では、これは日本に対する抗議という面もありつつ、韓国国内での政治闘争の一貫という面もあるのでしょう。

何よりも、もはや韓国では一部市民がある種の躁状態にあるので、なかなか政権によるコントロールが効かない状況なのではないかと推察します。

日本での議論は・・・? 

加えて日本国内でも、こういった対抗措置に対していろいろ批判が出ているようです。

たとえば、釜山総領事館前の慰安婦像は別という議論。

blogos.com

blog.goo.ne.jp

しかし、これはさすがに常識的に受け容れられないと思うんですよ。

 

   日韓合意で対象としたのはソウル大使館前に設置された慰安婦像だけ

  → その当時に設置されていなかった慰安婦像は対象外

  → だから別の場所に新しい慰安婦像を置くのは問題ない(キリッ

 

あまりに硬直的なロジックでセンスを感じません。

日韓合意で交わされたその形式面だけではなく、合意の本質的な要素を考えてみれば、両国間におけるこれ以上の議論を回避し、少なくとも大使館等の前に慰安婦像を置くようなことはやめよう、撤去するようにしようということだと思うのです。

それを、ソウルではなく釜山だからまったく別の話なんだというのは、いくらなんでも屁理屈というものでしょう。韓国政府ですらそんなことは恥ずかしくてとても言わないのではないでしょうか。それをわざわざこちらから提示してみせるのですから、なかなかすごいことです。

www.asahi.com

また、「韓国国内の政治状況に配慮して大人の対応を」といったような穏便路線の意見もよく耳にしますが、そういった状況であればこそ、新政権に向けての牽制球、メッセージとしてもある程度のプレイは必要だと思います。今、混迷を迎えている韓国内では、次の政権が反日方向でまとめていこうとする可能性もあり、それに対して日本の姿勢をはっきりと示しておくことは、外交の手法として考えられることでしょう。もちろん拳を振り上げながら片方の手は握手を求めていくという老獪さも必要だと思いますが、少なくとも子供じみた考えで当たり障りのないことをいってもあまり意味は無いと思います。

それにしても朝日新聞は一体どういった神経でこの件について報じているのでしょうか。その心理を知りたいものです。

韓国の普通の人はどう感じているのだろうか。

しかし、それよりも本当に知りたいのは韓国の一般的な人たちの温度感がどういったものなのかということです。

blog.livedoor.jp

あくまでネット上の情報なので正確なソースとはいえないのですが、存外こんなところが普通の感覚なのではないかと思います。

慰安婦問題については日本にもっと誠実な対応を求めたいという人はいるでしょうが、わざわざ国際合意に反して像を設置したいという人は少数派なのではないでしょうか。

f:id:Ratthanakosin:20170108002735p:plain

元はといえば、朝日の誤報から始まったものですし、いい加減この問題をいつまでも引きずるのはやめにして、両国間の発展的な未来についての建設的な議論をみたいものです。